温暖な気候、豊かな自然、そして全国に誇る農畜産物―。私たちの宮崎県は、素晴らしい環境と資源に恵まれています。今、宮崎のポテンシャルを最大限に引き出し、エネルギー不足や脱炭素社会への移行、資源の有効活用といった「未来の課題」に挑む動きが加速しています。本年度の宮崎日日新聞社エコロジー特集「エコニコみやざき」では、「サステナブル(持続可能)な農林水産業」をテーマに、県内各産業の先進的な取り組みを紹介します。

収集データを基に収穫時期など予測
高齢化による担い手不足や気候変動による収穫量の不安定化など、現在の農業にはさまざまな課題があります。持続可能な農業に向けた取り組みとして期待されているのが、最新テクノロジーを活用して効率的な生産を可能にする「AI農業」です。
その研究を続けるのは、自動収穫ロボットの開発・製造などを手がける農業ベンチャー「アグリスト」(新富町)です。「AI農業」を導入した町内のハウスでは、ロボットやセンサーを駆使して集めた生育・環境データを基に、AIが収穫時期や収量を予測します。これにより農家の負担を大幅に減らせる仕組みです。
アグリスト広報の大澤彩美さんは、「市場価格の変動を予測して、出荷時期を最適化するシステムも開発中です。農家の収益向上につなげたいです」と話します。
自動収穫ロボ全国で導入進む
一方、アグリストの自動収穫ロボットは全国にレンタルされ、ピーマンやキュウリの農家を支えています。本年度は本県のほか、群馬県や北海道の農家などで利用されており、「出荷に適したサイズでより多く収穫したい」という要望に応えるため、夜間稼働に向けた研究も進められています。
今後は、収穫の最盛期が異なる地域間で自動収穫ロボットを移動し、通年でフル活用する「産地間シェアリング」を目指しています。実現すれば利用者1件当たりのコスト負担が軽くなり、個人農家や新規就農者でも導入しやすくなるというメリットがあります。
宮崎から発信される農業の最新テクノロジーは国内にとどまらず、世界の食の生産を大きく変える可能性を秘めています。

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