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【コトバのチカラ】「これが自分色のメダル」競泳 松田丈志さん

2021年9月5日

2008年北京五輪の競泳男子200㍍バタフライで銅メダルを獲得した松田丈志

「これが自分色のメダル」

 競泳の松田丈志(セガサミー、延岡市出身)が2日、1週間後の国体でのレースを最後に現役引退することを表明した。2004年アテネから今夏のリオデジャネイロまで4大会連続で五輪に出場し、3大会連続でメダルを獲得。数々の実績を残し、日本の競泳史にその名を刻んだ。28年間にわたる松田の輝かしい競泳人生を振り返る。

 4歳の時、地元の東海スイミングクラブで競技を始めた。東海中1年だった1998年、自由形3種目で初の全国大会優勝。中3の時には、初めて1500メートル自由形で日本選手権に出場した。

 高校時代は国際大会にも出場、同時に自由形のフォーム修正のために取り組んだバタフライでも記録を伸ばしていく。中京大2年時の2004年、アテネ五輪に出場。400メートル自由形で日本人男子40年ぶりの決勝進出という快挙を成し遂げた。ただメダルを取れなかった悔しさは大きく、その事を糧に08年北京五輪では、200メートルバタフライで1分52秒97の日本新記録を樹立し銅メダルを獲得。「これが自分色のメダル」と喜んだ。

 12年ロンドン五輪でも同種目2大会連続の銅メダル。金を狙っていただけに1位とわずか0秒25差という結果に「悔しさはある」。それでも「会心のレースはできた」と振り返った。またこの大会では400メートルメドレーリレーにも出場。「(北島)康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」との強い思いで、見事銀メダル獲得に貢献した。

 32歳で臨んだリオ五輪は800メートルリレーで52年ぶりの銅メダル獲得。代表が決まった日本選手権後から、リレーメンバーの江原騎士、小堀勇気とともに合同練習を重ねたこともあり「時間をかけて、みんなで取ったメダル。最後まで仕事をやり切れて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 現在でも800メートル自由形(7分49秒65)、200メートルバタフライ(1分52秒97)、800メートルリレー(7分2秒26)と、3種目の日本記録に名を残している。

(2016年09月03日付紙面より)

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