加齢黄斑変性

宮崎県医師会 眼科医会 梶原夏輝

2024年05月16日掲載

 眼球の壁は大きく分けると三層に分かれており、内側から網膜、脈絡膜、強膜とよばれます。網膜の中央には「黄斑」という部分があり、物を見るうえで重要な働きをしています。加齢黄斑変性は、この黄斑が障害され、視力が低下する病気です。日本では高齢化と生活習慣の欧米化により近年患者が増加しており、視覚障害原因疾患の第4位となっています。目が見えにくくなる可能性はあるものの、治療で今の視力を維持することや予防もできるようになってきています。加齢黄斑変性は「滲出型」と「萎縮型」に分けられます。日本では滲出型が多く、新生血管とよばれる異常な血管が脈絡膜にでき、血液成分が漏れることで「視野の中心がゆがむ、見えにくい、薄暗い」等の症状がでます。

治療について
 
 滲出型の場合は、新生血管の発生や成長を抑える「抗VEGF薬」という薬を目に注射することが多いです。そのほか、光に反応する薬を静脈注射し、特殊なレーザーを当てて新生血管を詰まらせる「光線力学的療法」、状況により硝子体手術などが行われることもあります。

予防について
 
 「禁煙」「サプリメント」「食事」による発症の予防効果が証明されています。喫煙者は加齢黄斑変性になりやすく、禁煙で発症のリスクを下げられることが分かっています。サプリメントについては、抗酸化作用のあるビタミンC、ビタミンE、亜鉛、ルテイン等を摂取することでも発症のリスクを下げられるといわれています。食事では、緑黄色野菜や亜鉛、ビタミンAなどの栄養素を含む食材をとると良いといわれています。

 時々、片目を隠してものを見て、自身の見え方をチェックしてみましょう。片目で見たときに真ん中が暗い感じがしたりゆがんでみえる場合は黄斑に異常がある可能性があります。

 加齢黄斑変性を含め、目の病気は早期発見、早期治療が重要です。見え方に異常を感じたら、まずはお近くの眼科を受診されることをお勧めします。
 

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視野の中心が見えにくくなる病気


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