嗅覚障害

宮崎県医師会 耳鼻咽喉科医会 坪井康浩

2024年04月25日掲載

 洗濯物の心地よい香り、朝のコーヒーの香りなど、私たちの生活はさまざまな香りに囲まれています。その匂いが分からなくなる患者さんは、嗅覚障害と診断されます。

コロナ感染症による
「嗅覚障害」の特徴

 嗅覚障害といって連想するのは、コロナ感染症でしょう。しかし原因疾患は、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など以前からある病気が約50%を占め、感冒やコロナ感染症が原因で起こるものは全体の10~20%にすぎません。そして副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に伴う嗅覚障害に対しては、薬の内服や点鼻薬、手術などで治療できるケースが増えています。また新たな注射(生物学的製剤)による治療で改善する場合もあります。

 では、コロナ感染症による嗅覚障害はどのような特徴があるのでしょうか?

2021年、初期のコロナに罹患した人は50~60%に嗅覚障害が起こりました。しかし、ウイルス株が変異するごとにその割合は減っていき、オミクロン株では15分の1に減ったそうです。ところが、日本ではオミクロン株の流行で、患者数は30倍になったといわれています。つまりコロナ感染に伴う嗅覚障害の患者さんの実数は増えたことになります。年齢層に関しては、一般の風邪で嗅覚障害を起こすのは、50代、60代の患者さんが多いのですが、コロナ感染症では10代から嗅覚障害を訴える患者さんもいて、平均年齢は30~40代といわれています。患者さんの約90%は半年以内に自然に治るといわれていますが、完治しない場合もあるため、症状が気になる方は早めの耳鼻科受診をお勧めします。

 また、コロナ感染症では異嗅症の割合が多くみられるといわれています。異嗅症とはコーヒーを嗅いでいるのにコーヒー以外の匂いに感じるとか、匂いの元がないのに常に嫌な匂いを感じるといった症状です。なぜコロナ感染症に異嗅症の患者さんが多いのか、残念ながらはっきりとした原因は不明で、特別な治療法は確立していません。今後の研究が待たれるところです。

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匂いが分からなくなる


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