耳鳴り

宮崎県医師会・耳鼻咽喉科医会 中島崇博

2021年09月02日掲載

 「彼(かれ)を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」。あまりにも有名なこの格言は、耳鳴りの治療戦略を立てる上でも役立ちそうです。まずは「彼」を知る事から始めたいと思います。

体外に音源がない
異常な音感覚

 しばしば「キーン」や「セミの声」などと表現されます。音楽や会話が聞こえるという場合、耳鳴りというより幻聴という症状が考えられます。また、「ボーっとする」「飛行機に乗った時のよう」である場合、音感覚ではなく耳閉感(じへいかん)かもしれません。まれに、血管雑音「ザッザッ」や耳周囲の筋肉のけいれん「カチカチ」といった、体内からの音が原因となる場合、他人も聞き取れることがあります(他覚的耳鳴・じめい)。しかし、多くは本人しか聞こえず(自覚的耳鳴)、何らかの内耳機能障害によります。

苦痛は脳の認知の問題

 耳鳴りを感じても通常は脳が順応して徐々に気にならなくなります。しかし、ここにストレスなどの状況が加わると、耳鳴りに対して負の感情が働き、常に意識するようになります。消えない耳鳴りに対して不安や苦痛が重なり、自律神経反応も関与して、より一層耳鳴りに注意が向くようになります。この悪循環が耳鳴りを慢性化、難治化させます。
自分の「耳鳴り」の
正体を知ろう

 では、「己」を知るにはどうすればよいでしょうか。
 自分の症状が本当に耳鳴りなのか(実は「耳閉感」?)、どんな性質の耳鳴りなのかを知るのが診断の第一歩です。耳鳴りを来す病気は難聴を伴うことがほとんどです。耳鼻科外来で診察前に記入を行う耳鳴りに特化した質問票は、困っているポイントを把握できる点で医師だけでなく患者自身にも有益です。

治療の目標を理解しよう
 
 治療の目的は「耳鳴りそのものを治す」ことと、「耳鳴りの苦痛を軽くする」ことです。二つとも達成するのが難しい場合もあります。薬物療法、音響療法、心理療法など、自分が受ける種々の治療法がどちらに当てはまり、治療のゴールがどこにあるのかを理解し、医師との信頼関係を構築し双方が同じ方向を向いていることが大切です。

MEMO

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