卵巣機能とAMH

産婦人科医会 弓削彰利

2020年02月06日掲載

ホルモン検査が人生設計の助けに

 少子化が叫ばれるようになって久しいですが、女性の社会進出が進むにつれ、晩婚化・晩産化も必然的に進みます。とはいえ、多くの女性にとって「自分は妊娠できるか」ということは、望むかどうかはともかくとして、気になる問題ではないでしょうか。

 多くの女性は、自分たちが望めばすぐに妊娠でき、やがて50歳くらいになったら閉経するのだろうと漠然と考えています。しかし卵巣機能は個人間で大きなばらつきがあり、卵巣機能が低いために若くして妊娠が難しくなったり、閉経がとても早かったりすることもあります。日常生活においてそれを自分自身で確認する術はありません。

卵子数を示すホルモンリスク予測も
 
 そこで、卵巣機能を知る上で近年注目されている抗ミュラー管ホルモン(AMH)を紹介します。AMHは超音波で見えないレベルの原始卵胞(卵胞:卵子の入っている袋)~やっと見える大きさの前胞状卵胞から分泌されるホルモンで卵子の数を反映します。つまり卵子の数が少ないとAMH値は低くなります。

 卵子は人が生まれる前から減少し続け、増えることはありません。よってAMH値が低い場合、卵巣の中にある卵子の数が少ないため、妊娠を希望する場合は急いだ方が良いということになります。逆にAMH値が高すぎる場合は多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう)症候群のような排卵障害がある場合が多く、それによって月経不順や不妊になる場合もあるため、高ければ良いというわけでもありません。

正常値はなくあくまで参考に

 「AMH値が低かったら閉経も早いのか?」という質問もよく受けます。理屈的にはそう考えられますし、それを示唆する論文も数多く認めますが、現時点では必ずしもそうとは言えないという意見が大勢です。

 そもそもAMH自体が人種や個人間で大きなばらつきがあって正常値を設定するのが困難なホルモンですので、あくまでも参考値として捉えるべきものとされています。実際体外受精を行う際、同じAMH値でもたくさん卵子が取れる人もいれば全く取れない人もいます。

 女性にとって自分の卵巣機能を知ることは非常に有用です。AMHは産婦人科で検査を受けられますが、自費になるので受診の前に測定可能かどうかを問い合わせることをお勧めします。

MEMO


コンテンツ

サポーターコラム

GURU GURU GOURMET

Health

旬レシピ

働くワタシ図鑑

まちがいさがし

プレゼント

facebook

休日在宅医

きゅんナビ

発行
宮崎日日新聞社
企画・編集
宮崎日日新聞社 業務局
〒880-8570
宮崎市高千穂通1-1-33
購読のお申し込み
TEL 0120-373821