早期水稲の種まきを終えたトレーを整然と並べる会員=宮崎市跡江

働く喜び、生きがいに 交流会や旅行で連帯感

 「こん人は、いっつん冗談を言いよっとよ」。和やかな雰囲気に包まれたビニールハウスの中で、高齢者らが慣れた手つきで稲の種まきに精を出す。作業を依頼した宮崎市跡江の農業徳地豊さん(66)は「毎年、同じ人たちが手伝ってくれている」と頼もしげだ。

 高齢者に働く機会を提供し、生きがいづくりにも一役買っている県内各地のシルバー人材センター。会員からは「健康維持につながり、配分金ももらえる」といった声が上がる。一方で企業の定年延長の影響もあり、60代の新規入会が伸び悩むなど課題は多い。

 草刈りや公園管理、家事補助など請け負う仕事は幅広い。ただ近年は人手が足りずに断るケースも増えている。県連合会によると、2018年度の会員数は5525人。15年前から1700人ほど減少した。

 こうした事態を受け、各センターは人材確保に注力。非会員を対象に、剪定(せんてい)や介護補助などの講習会を開く。地域によっては会員同士の交流を促す互助会もあり、新年会や宿泊旅行などを通じて連帯感の向上に努めている。

 働く喜びを感じている会員は多い。宮崎市シルバー人材センターに所属する筒井昭勅(はるとも)さん(76)もその一人で「多くの人と出会うことができた」。ただ、活動が縮小していくことが心配といい、「地域に根を下ろしつつ無理なく働ける『宮崎モデル』と呼ばれるような仕組みづくりが必要」と訴える。