お倉ケ浜と並ぶ日向市の代表的なサーフポイント・金ケ浜。砂浜と磯が織りなす美しい地形が魅力

移住者増加へ波及期待 日向市サーフタウン構想

 日向市の海岸沿いが活気づいている。その理由はサーフィン。市などの働き掛けで世界大会が相次いで開かれ、お倉ケ浜などサーフポイントの知名度はさらに向上している。移住者は増えつつあり、景観もおしゃれに。多発する事故の対策など課題も残るが、「サーフカルチャーが根付く街に」と関係者は期待する。

 市は2016年12月にサーフタウン構想を打ち出した。大会招致などを通じてPR、交流人口増加を図る。起爆剤となったのは17年にお倉ケ浜で開いた世界ジュニアサーフィン選手権。同年は前年比27%増の30万1983人が市内を訪れた。今月も同所で世界大会を開き、にぎわった。
 「より遠方からサーファーが訪れるようになった」。会場近くでショップを営む吉田康徳さん(54)は波及効果を実感する。

 PR活動と両輪で市が取り組んでいるのが、移住者の呼び込みだ。サーファー向けの相談会を都市圏で定期的に実施。市内には「お試し滞在施設」を整備し、利用実績も伸びている。

 増えたサーファーや観光客に加え、地域住民もターゲットに、洗練された雰囲気のカフェなどが沿岸部に続々とオープン。金ケ浜近くで7月に商業施設を開業した三宅信之社長(44)は「周囲の店と一緒に盛り上げたい」と力を込める。

 来年の東京五輪で正式種目となり、競技としての裾野の広がりが予想される。市もそれを見据えていて、葉上耕大朗・観光交流課長補佐(47)は「地元サーファーと連携して安全確保にいっそう気を配り、日向の海をもっと世界に発信していく」と話している。