車いすを操りながらのドリブルの妙技は見どころのひとつ

コート上の“格闘技” 巧みな操作でチーム一体

 キュッ、キュッと体育館に響き渡るタイヤのスリップ音、ガキンとぶつかり合う鈍い金属音―。激しい動きから「車いすの格闘技」といわれる車いすバスケットボール。人気漫画家も連載し身障者スポーツの枠を超え注目を集めている。その魅力をカメラで探った。

 車いすバスケットは戦後、米英両国で誕生。日本では1964(昭和39)年の第2回パラリンピック東京大会を契機に広まった。本県では74年、宮崎車いすバスケットボールクラブが初めて発足。現在は延岡トータスクラブ、宮崎フェニックスWBC、都城車椅子スポーツクラブの3チーム約30人が活動している。

 選手たちが「バスケ車」と呼ぶ専用車いすは、ハの字形に付いた車輪が大きな特徴。前後に小さな補助輪があり、素早く方向転換できるようになっている。接触が多いため車輪はバンパーでガード。シートには腰をしっかりと固定する幅広のベルトを装備しており、レーシングカーを思わせる精巧な作りだ。

 実際に乗ると「走る」というより「滑る」感覚。曲がろうと車輪を操作しては迷走し、シュートはゴールがかなり遠く感じて全く届かない。だが、選手たちはバスケ車を自在に操り、コートを駆ける。

 現在、宮崎、延岡の8人は九州連盟Bリーグに「宮崎WBC」として参戦。熊本県宇城市で9月にあった大会では、鹿児島、長崎県のチームと対戦した。

 チーム最高齢は延岡市の津嶋廣美さん(69)。「けがで腕が上がりにくい状態だが、体の続く限りやっていく」と貫禄のプレーで引っ張った。本県選手たちはリバウンド、ドリブル、パス、シュートと鮮やかな動きを披露。惜しくも勝利はつかめなかったが、巧みな連係で相手の攻撃を封じるなどチームワークで戦い抜いた。

「団結力や絆が強められるスポーツ。1人でも外れると勝利はない」と県連盟代表の甲斐義喜さん(48)。日向市の黒木敏文さん(50)は「障害があるとスポーツはできないと諦めている親が多いが、そんなことはない。ぜひ子どもに勧めてほしい」と呼び掛ける。

 スピードやパワー、組織力などで人の心を引き付ける車いすバスケ。スポーツとして、さらに発展する要素を持っている。