【評】芽吹き始めた落葉樹の頂が春の訪れを告げ、淡い色調が日本画的な安堵感を与える。霧が晴れて撮影できたとあるが、山岳写真は雲の動きも速く露出設定が難しい。最も明るいダケカンバの白い幹に焦点と露出が合わされ、背景の森と画面下の陰が主役たちを引き立てている。(写真部次長 沼口啓美)