【評】水面に近い上部の黒い枝、左の淡い木の影、幾何学的な傘の影。三者が雲に浮かび、モノトーンな世界だが、沈んだ落ち葉や小石の点描がリズムを与えている。樹木の影や傘を造形的に見る感覚がいい。常に写真を撮る意識を持てば、身近に被写体がある例だ。撮影者の靴は省くべきだ。(写真部次長 沼口啓美)