【評】新緑に覆われた丘を上がる少年の気持ちが、踏み出す足と大きく振られた手に表れる。後ろ姿でも心は撮れるのだ。家族をモデルにした作品が多いが、被写体に頼らず、表現者としての寺原さんの意識が全面に出ている。シャッター速度を遅くして人物に動きを与えると、さらに躍動感が出て題名にマッチする。(写真部次長 沼口啓美)