食事が終わり、子どもたちはテントに。訪れた静かな夜を大人たちが楽しんでいた=小林市・ひなもりオートキャンプ場
山、海キャンプ人気上昇 「3密」回避 自然満喫
野外での調理や食事を楽しみ、のんびり過ごす―。新型コロナウイルス感染の予防策として「3密」の回避が求められる中、屋外レジャーの代表格であるキャンプが人気だ。自然に恵まれた本県には名高いスポットも多く、週末を中心ににぎわっている。霧島連山のふもとにある小林市の「ひなもりオートキャンプ場」。広場には色とりどりのテントが間隔を空けて立ち並んでいる。太陽が山に隠れ、頰に当たる風が冷たさを増していく。やがてぽつぽつとランタンに灯がともり、幻想的な光景が広がった。
テント脇でたき火をしていた都城市蓑原町の会社員永野貴大さん(27)は「揺らいでいる火を見ているだけで落ち着く」。今年始めた1人で過ごすソロキャンプに、コロナ疲れがすっかり癒えた様子だった。
浜に打ち寄せる波の音が心地よい海辺のキャンプ場も魅力いっぱい。宮崎市折生迫の「宮崎白浜キャンプ場」は青空にヤシの木が映え、訪れるだけで南国気分を味わえる。潮風が揺らすハンモックに寝そべると時間がゆっくり流れているようで、慌ただしい日常を忘れられる。
晴れの日に限らず、雨でも楽しめるのがキャンプの醍醐味(だいごみ)。熊本県多良木町から夫婦で訪れた自営業松下愛一郎さん(59)は「聞こえるのは(日よけの)タープに当たる雨粒の音だけ。静かな時間を過ごし、リフレッシュできた」とほほ笑んでいた。