【評】くすんだ空を背景に彫刻で飾られた橋に立つ北京の親子。中国が急変している今、この家族の暮らしぶりはどうなのか。どこから来て何をしているのか。多くの疑問がわくが、初対面の旅人に、素朴な笑顔を見せる親子の幸せを願いたくなる。日本人が旅人に、笑顔を向ける余裕を失ったのはいつからだろうか。作品を見ていると、疑問はこちらに向けられる。(写真部次長 沼口啓美)