好プレー珍プレーが飛び出し、コースは笑い声であふれる
世代超え気軽にプレー 緑の芝年中楽しんで
宮崎市青島パークゴルフ場(愛称・あおパゴ)が昨年末のオープン以来、世代を超えて人気を集めている。直径6センチのボールと1本のクラブがあれば、誰でもラウンドできる。そんな気軽さと、青い空と海に囲まれた好環境がマッチ。県内愛好者だけでなく県外客も呼び込み、観光宮崎の新たな魅力を発信している。あおパゴは昨年12月21日、「こどものくに」隣接地約2万平方メートルに宮崎市が開設。県内7カ所目の日本パークゴルフ協会公認施設で、4コース36ホールを有する。最大の魅力は、年間を通して鮮やかな緑色が堪能できるコースだ。夏芝の上に冬芝の種をまく全国でも珍しい「オーバーシード」で育成。周りの亜熱帯植物もリゾート気分を演出し、来場者の気持ちを盛り上げる。
評判を聞き付け今月中旬、旅行で訪れた高知市パークゴルフ協会理事の西本元さん(65)は「この時季にこれほど美しいグリーンが整備されていることに驚いた。自信を持ってお薦めできる」と絶賛する。
パークゴルフは1983(昭和58)年、北海道幕別町で誕生。同協会によると、全国の愛好者は推計124万人、公認コースは全国317カ所に上るという。本県は競技人口約2800人(県パークゴルフ協会調べ)とまだ発展途上だが、あおパゴはオープン4カ月で約1万2千人を集め、競技の面白さを広めつつある。
指定管理者の宮崎交通、藤本文教こどものくに園長は「コースの維持管理、整備は来場者から高い評価を得ている。日本一美しいコースを目指し、全国大会を誘致したい」と展望を描く。コースを管理するグリーンキーパーたちは早朝から丹念に芝を調整。「簡単に攻略できたら面白くないでしょう」と、ちょっとした仕掛けを施し来場者を迎える。
コース1周1.7キロ。芝生の上を歩く軽い運動になり、健康づくりやリハビリを兼ねて利用する人も多い。宮崎市芳士の主婦広瀬文子さん(80)は36ホールを3セットほぼ毎日こなし、時には娘や孫を巻き込み3世代でラウンドする。「楽しみながら歩けることが一番。芝は柔らかいし適度な起伏がリハビリにいいみたい。脳梗塞を患った友だちも順調に回復していますよ」と笑顔で話す。
青島観光の復興に決定的な切り札がない中、市文化スポーツ課スポーツ振興係平田美加幸主任主事は「あおパゴは青島周遊の役割も担っている」と強調する。観光宮崎活性化の呼び水になるか―。こどものくにフラワーフェスタが21日開幕し、早速、相乗効果が期待されている。