【評】野猿に向かいシャッターを押しながら近づくだけで何もできない、完全に被写体任せの状況。若草の中で咲く美しく懐かしいレンゲの花、春風にそよぐ猿の毛、作品が完成するおぜん立てが整っている。心構えやレンズの準備が整った寺原さんに、甘い食卓という春のうたげがプレゼントされた。(写真部次長 沼口啓美)