【評】誰でも撮れそうで、誰も撮らない作品には、岩切さんが季節を感じた、心の瞬間が撮られている。つまり写真の俳句だろう。斜光線の中で膨張する積乱雲、黒く鋭利に伸びる葉と青い稲穂。濃紺の空を背景した雲と稲で、秋が単純化され訴える強さがある。(写真部次長 沼口啓美)