【評】日の出の赤い光が一帯を照らす時間は短い。好機を最大に生かした技術と感覚は見事。動乱の雲と木の枝ぶりが、血で血を争った古代人の戦を、ほうふつさせている。権力を振るった古代豪族の墓も草に覆われ、文明のはかなさを思わせる。ズーミングの決定が人の視覚に近く、違和感なく風景に気持ちが入れる。(写真部次長 沼口啓美)