多くの観光客の中、華やかな衣装のコスプレイヤーたちが目を引いた=5日

軍服にドレス、人目引く “オタク文化”で町おこし

 5月5、6日、アニメやゲームキャラクターに仮装する「コスプレイヤー」の街歩きイベントが、宮崎市の青島で初めて開かれた。コスプレは日本独自の文化として海外からも注目を集めており、県内のアニメ・ゲームファンでつくる団体が町おこしにもつなげられればと企画。2日間で県内外から延べ約150人が参加し、“オタク文化”が集客の新たな手だてとなりそうだと関係者は手応えを感じている。

 多くの観光客でにぎわう青島神社。軍服やドレス姿など一風変わった一団が人目を引いた。一行が参拝を終えて始めたのは撮影会。金髪に和装の“剣士”が海を背景に刀を構えたり、派手なドレス姿の女性が砂浜でポーズを決めたり…。その様子を楽しげに眺める観光客の姿もみられ、撮影会の場所には人だかりも。人気ゲーム「刀剣乱舞」の登場キャラクターで参加した日南市南郷町の会社員山下美優さん(22)は「こんなにきれいな景色で撮影できてうれしい」と満足げだ。

 コスプレ写真を会員制交流サイト(SNS)で披露するコスプレイヤーたちを地域活性化につなげられないか-。県内のアニメ・ゲームファンでつくる団体「天風鳥(てんかどり)」代表の田川浩二さん(47)が知り合いからそう持ち掛けられたのが、イベント開催のきっかけになった。

 民間調査会社の矢野経済研究所(東京)が2016年に実施したアンケートによると、「コスプレオタク」を自認する消費者は日本国内で約50万人。その消費力や集客力を活性化につなげる取り組みは全国でみられ、県内では3年前から日南市の油津地区でコスプレイベントが開かれている。田川さんも「青島のロケーションを撮影会に生かせば、多くの人が集まる」と考えた。

 地元の理解を得ようと、田川さんは住民にイベント開催の趣旨を説明。「青島が盛り上がるなら」と賛同者は多く、観光客や地元とのトラブルを避けるため、撮影する際の注意点などを書いた看板の設置では、商店主らの協力もあったという。イベント中には地元住民から「コスプレのテーマを絞れば、もっと面白くなるのでは」などとアドバイスも受けた田川さん。「地元と協力しながら、観光のオフシーズンにも人を呼べるイベントに育てたい」と今後の展開を見据える。

 同団体はこれまで、屋内でコスプレイベントを開いてきた。今回は初めての屋外。それも大勢の人が集う観光地で開いたことで、参加者たちもコスプレの新たな可能性を再認識したようだ。

 一般の観光客とも笑顔で記念撮影に応じていた女性コスプレイヤー・なぎさん(仮名)。学生時代は、いじめられた経験があるという。人付き合いが嫌になったこともあったが、コスプレに出合ったことで友人の輪が広がった。「コスプレは自分を変え、居場所をつくってくれたもの。それで地域を元気にすることができたらとてもうれしい」と目を輝かせていた。