検定試験に向け、上半身の使い方の指導を受ける子ども。跳ぶことを楽しみながらも、技を極める

リズムよくジャンプ 減量、リハビリ効果も

 ふわっと宙に浮く無重力感覚が楽しめるスポーツ、トランポリンの人気が高まっている。体力づくりに加え、リハビリや級位取得などさまざまな目的の愛好者を受け入れる懐の深い競技の魅力に触れた。

 県内では5教室に約200人が所属している。このうち宮崎市の「宮崎トランポリン教室」(杉本美智子代表)には子どもを中心に老若男女約80人が訪れる。開設した3年前の10人に比べ、にぎやかになった。

 同教室は週2回開く。縦約5メートル、横約3メートルのトランポリンを使用。床から高さ約1メートルの位置に張られた布を跳びはねる。

 同教室の受講生は準備体操を終えると、まずは垂直に跳び続け、徐々に各人の能力に応じた複雑な技を取り入れていく。1級取得後は、より高度な競技検定にも挑戦できる。

 端から見ていると、リズムよく跳び続ける様子はいかにも軽快そう。ところが一通りメニューをこなし、トランポリンを下りてきた受講生は汗びっしょりだった。杉本代表は「不安定な中でバランスを保ちながら跳び続ける難しさは見た目以上。下半身はもちろん、腕を回す、背筋を伸ばすなど上半身も使う」と効果を強調した。

 運動不足解消やダイエット、三半規管を鍛えるなど期待される効果は多い。国富町の主婦、松元歩美さん(35)は痛めた左膝靱帯(じんたい)のリハビリにトランポリンを選び、半年間通っている。「普段は左脚をかばい片足重心になる。トランポリンでは体を平行に保つため、両脚に程よい負荷がかかるのがいい」と励んでいる。

 また、トランポリンの経験が他分野で役に立った例も。1級を取得し、バレエも学んでいる宮大付属小6年、江口楠々歩さん(12)は「以前は踊っていて軸がぶれやすかったが、バランス感覚が養われたのか姿勢が崩れなくなった」と笑顔を見せる。

 多種多様な目標に向かって宙を舞う受講生たち。トランポリンの持つ可能性に光を当てることは、競技人口拡大につながるに違いない。