【評】童話の絵のようにあり、イメージ広告のイラストにも見える、不思議な作品。輪郭を白くして浮かぶ雲と、砂丘上にある、おもちゃのような貨物船がそうさせるのか。鳥取砂丘を舞台に、視覚のトリックを利用した撮影で有名な、写真家の故植田正治氏の作品に通じるものがある。感覚を研ぎ澄まし、普通の風景を作品に仕上げるという、寺原さんならではの感性が発揮されている。(写真部次長 沼口啓美)