【評】火口周辺の岩肌が荒々しく人を寄せ付けない厳しさを放つ。手前には、すべて統一された服装の学生たちが、等間隔に歩き造形化している。マグマに直結する阿蘇山に躍動があり、人に生を感じない、その対比が面白い。大自然の力強さを目の当たりにしながら、うつむいて歩く学生たちの活気の無さが気になるのは選者だけか。下のブロックを避けて、正面の山を多く入れると、より作品の魅力が強調される。(写真部次長　沼口啓美)