【評】笑顔と帽子、黒い影、濃い緑、強いコントラストが盛夏を印象づける。被写体を冷静に見る感覚と、遊ぶ児童を見て隣村の自宅からカメラを持参する行動力が作品を生んだ。笑顔のポートレートになりがちだが、中央に大きく占める麦わら帽子で児童の顔が隠されている。強光線から子どもを守ろうとする親の愛。帽子の下の無邪気な笑顔など見る者の思いが膨らむ。(写真部次長 沼口啓美)