【評】高千穂町の旧田原村役場で進路を決意した娘を撮ったとある。役場は村民の暮らしに身近だった。建具はつやも消えいずれ消え去る運命。人物は進学を控えた高校生で、これから時代を切り開き、いずれ新しい命を生むだろう。今を生きる両者の対比が象徴的に撮られている。先月は集落を縫う文明の光、今月は過去と未来をつなぐ青春の揺れる心。いずれも超低速露光で見事に表現している。(写真部次長 沼口啓美)