笑顔で記念撮影に納まる「布の絵本たんぽぽの部屋」の会員=7月、宮崎市原町・県福祉総合センター(撮影時はマスクを外しています)

子ども思い一針一針 作品の温かみ感じて

 布で絵本やおもちゃを手作りし、宮崎市を拠点に活動するボランティア団体「布の絵本たんぽぽの部屋」が、県内の施設に貸し出した作品の修復に取りかかっている。高齢化などを理由に数年内に解散することから、会員は「少しでも長く使ってもらえるように」と丁寧に作業している。

 子どもたちに布の温かさを感じてほしいと、初代代表の藤本好子さん(89)が友人らに呼びかけて38年前、6人で発足。展示会などを通じて活動への理解が徐々に広がり会員は今、23人を数える。

 何を製作するかは話し合いで決めてきた。月に数回の活動でこれまでに約400点を作り、約80点の絵本とおもちゃ約220点が現存。そのほとんどを県内の図書館に贈ったり、子育て支援グループなどに貸し出したりしてきた。

 柔らかいパイル地で作ったヒヨコを台紙の布に縫い付けた作品など、絵本は思わず触りたくなってしまうものばかり。おもちゃはキルティング生地などで製作。ボールを狙った番号に当てる「ストラックアウト」など遊び心にあふれている。

 7月に同市の県福祉総合センターであった修復作業には19人が参加した。作品を手に取って席に着き、傷みやほつれを確認。隣の会員と相談しながら、楽しそうに縫い直していた。

 修復した作品は既に同市の県立図書館、綾町の綾てるは図書館、川南町立図書館に寄贈。今後は利用歴のある幼稚園などにも贈る予定。作品が傷んだとの申し出があれば、解散後でもできる限り修復に応じるという。

 「作品が役に立っているという話を聞くと、うれしかった。楽しかったから続けてこられた」と振り返る藤本さん。「子どもたちには自由な発想を持って、今後も自分なりに作品で遊んでもらえたら」。そんな温かい思いを込めて針を動かしていた。