【評】なんともミスマッチなセッティングが強烈に目を引く。人物の配置も極端な左隅で、セオリーを無視している。誰もが撮れそうで撮れない。山高帽、ワイン瓶、ゴルフ靴と小道具もウイットに富み作者の友人ならではの演出だろう。好天で春らんまんなのに、桜並木の堤防には男性以外は誰もいないという条件の選択も面白い。瞬間を切り取る写真表現の意外性が十分に発揮されている。(写真部次長 沼口啓美)