【評】サトウキビの汁を煮詰め、竹の棒でかき混ぜ練り上げる昔ながらの黒砂糖作り。毎年12月の2日間、「さとねり」と呼ばれる伝統製法で作られている。広めの画角で現場の雰囲気が伝わる。夜通しの作業が続く中、交代で釜の火加減を見守る三者三様の姿が面白い。大抵、人物や作業工程に目が行き説明的な作品になりがちだが、時には、被写体を引いて観察する、冷静な視点も必要だろう。(写真部次長 中島雅隆)