県立図書館で行われた参加型イベント「しかけのある えほんをつくろう!」。子どもに負けず劣らず大人たちの表情は真剣=5月3日、宮崎市

新発見に心ときめく 楽しみ方人それぞれ

 絵本の世界、大人も触れてみませんか-。子どもの本と思われがちだが、絵本の魅力にはまってしまう大人も少なくない。近年、「大人のための絵本」として新聞や雑誌で特集されたり、絵本売り場には大人向けの「お薦めコーナー」が設けられたりするなど身近になってきている。県内で開催されるイベントや団体の取り組みを訪ね、楽しみ方を探ってみた。

 「イラストの美しさ、シンプルな言い回しの中に秘められた言葉の奥深さに感銘を受ける大人も多い」と話すのは、木城町・木城えほんの郷ブックアドバイザーの宮田香子さん(59)。そもそも絵本自体に年齢制限はないと考える宮田さんは「絵本出版が国内外で増え、読み聞かせが普及した。物語の内容や表現手法の多様化も絵本文化の醸成につながり、作家も広い世代に楽しみを提供したいのでは」と人気を分析する。

 1983(昭和58)年から児童文学や絵本について情報交換や研究を行う「宮崎子どもの本に親しむ会」(冨永孝江会長、71人)。2カ月に1度の例会を訪ねると、大人たちの笑い声が会場を包んでいた。この日は「だるまちゃん」シリーズや「宇宙」などの科学絵本で知られる作家加古里子(かこさとし)さんの作品を題材に研究。会員は絵本の付録で実際に遊び、文章の解釈など意見を述べ合い交流を深めた。冨永会長は「大人から子どもまでを夢中にさせ、人と人をつなぐ」と絵本に触れる大切さを説明した。

 親になり、今度は読み手として絵本と再会した大人も。お話し会を通じ、自らも楽しんでしまおうと三股町で発足した男性の読み聞かせグループ「えほん侍」(池田大助代表、7人)。メンバーは30〜40代のイクメンが中心。いかにして聞き手と楽しみを共有できるかを念頭に、小道具を準備し、声色を変えたり関西弁を使ったりするなど工夫を凝らす。池田代表は「子どもたちにうけると素直にうれしい。ついつい力が入ってしまう」と笑顔を見せた。

 こどもの読書週間(4月23日〜5月12日)には、県内各地で絵本関連のイベントが開かれた。宮崎市の県立図書館では、動物や恐竜などが立体的に飛び出す「仕掛け絵本」作り。木城えほんの郷では、色彩豊かなデザインのブックカバーを材料に、手提げ袋を製作して楽しんだ。絵本が持つ視覚的な面白さや芸術性の高さなど特色を生かした催しに、子どもに負けないぐらい熱中している親たちの姿が印象的だった。

 「絵本の楽しみ方は手にした人それぞれ、自由でいい」と宮田さん。子どもの頃読んだ絵本を再び手にした時、昔は気付かなかったメッセージや新たな発見に心ときめき、豊かな時間を過ごせるかもしれない。