【評】決定的な瞬間だ、などと言わず撮影を楽しんでいる。こうして写真は偶然にあるがままに写ってしまうのだ。鼻を膨らませてやや首をかしげながら、前足で宙をかく姿は、高速シャッターで止めない限り観察できない。立ちはだかる馬のすぐ下で、フレミングを的確にして撮る冷静さに驚く。常に馬をテーマに追い続ける杉本さん、体を張った会心の作品。(写真部次長 沼口啓美)