手足だけでなく、全身のばねを使いリズム良く登る姿は力強く、見る者を魅了する。最小限の動きが成功の鍵となる

全身使い、上へ上へ 「達成感たまらない」

 仕事帰り、気軽に壁面を登りストレス発散-。県内でもロッククライミングの一種ボルダリングの愛好者が増えている。コース攻略の喜びを味わうため、屋内施設に通ったり、屋外の巨石に挑戦したり。幅広い年代を引きつける魅力に迫った。

 ボルダリングはロープなどを用いず、高いもので5メートルほどを登るスポーツ。屋内の場合、人工壁に出っ張った大きさや形がさまざまなホールドと呼ばれる部分に手足を掛け、課題を設定したルートを進む。床にはマットが敷かれ安全面にも配慮されている。

 2000年代から国内にジムが増え始め、現在、300を超す施設が点在。県内の屋内施設は県体育館や川原自然公園(木城町)などが知られる。同体育館の場合、年間利用者は約2千人と、この3年間だけで800人も増えている。

 記者も宮崎市島之内の「スムージーボルダリングジム」で、初心者向けのルートを体験した。専用の靴を借りながら周囲を見渡すと、Tシャツに短パンといった軽装の人がほとんど。

 最初のホールドに手を掛けてスタート。足をうまく使えず、手の力に頼りっぱなしなので疲れる。途中、手の置き場に迷う箇所はあったが、4メートルの高さを30秒ほどでゴールできた。

 15年続けている自営業、永峰洋さん(39)は「仕事の後でも楽しめる。実力に応じた課題があり飽きない」と奥深さを実感。尾﨑大祐店長(32)は、「若者を中心に男性が8割。徐々に女性や学生も増えてきた」と手応えを語る。

 同市恒久の「クライミングジムリバー宮崎」では、美容師、小松崎巴美さん(27)が「体全体の使い方を工夫し、コースを攻略した時の達成感がたまらない」とすっかりはまった様子。週に数回通っているという。

 ボルダリングは国体競技にもなっている。競技普及と技術向上を目指し、今年4月には宮崎スポーツクライミング協会が設立された。このほか県山岳連盟も、育成事業の一環で6月から県内の小中学生を対象にした無料の「ジュニアクライミング教室」を開く。

 屋外ボルダリングで有名な巨岩があるなど、全国の愛好者から注目が集まる本県。今後、競技熱の高まりに伴い、技術力の底上げも大いに期待ができそうだ。