【評】奥深い山中の日の当たらないところでも、広葉樹はけなげに秋を主張している。スローシャッターと広角系の焦点距離で被写界深度を稼ぎ、画面中央から四方に伸びた枝ぶりは、奥行きを感じさせる。縦構図も成功した。上部の白く光った部分が余計で、視線が奪われてしまうのが残念。もう少し広く撮影すると孤立感が増し、タイトル通りの情景が生まれるだろう。(写真部次長 中島雅隆)