【評】映画のワンシーンに出てきそうな作品。やがて霧の中から、わずかな乗客を乗せた列車がゆっくりと現れてくるのだろうか。それともこのまま何も起こらず、更けていくのか。日が暮れて、わずかな時間に起こる藍色の世界をきれいに捉えている。大小の赤いランプをともす信号機と赤く反射するレール。奥行きと深みが出る構図で物語を感じる。(写真部次長 中島雅隆)