
2021年度の健康長寿推進企業等知事表彰で最優秀賞に選ばれた宮崎市の生目緑地建設(写真上、県提供)
8月に「働きやすい職場『ひなたの極』認証制度」の認証を受けた企業の代表と河野知事(写真下)
河野俊嗣知事
顕彰制度で県内企業後押し
―健康経営に取り組む企業を表彰する宮崎県独自の顕彰制度について教えてください。
「健康長寿推進企業等知事表彰」を2015年度から実施しています。健康経営に積極的な企業を後押しすると同時に、好事例を広く紹介して波及を図るためです。表彰基準には健(検)診受診率の向上や食生活・運動習慣の改善、たばこ対策、ワークライフバランスへの配慮、メンタルヘルス対策があります。これまでの7年間で最優秀賞7社、優秀賞16社、奨励賞19社を表彰しました。
昨年度、最優秀賞に選ばれた生目緑地建設(宮崎市)は、働きやすさ県内業界ナンバーワンを目指して健診受診率100%を達成し、運動習慣や野菜摂取の向上に取り組みました。完全週休2日制やノー残業デー、バースデー特別休暇制度も実施しています。受賞企業の取り組みは取組事例集や県庁ホームページで紹介しています。
―「働きやすい職場『ひなたの極(きわみ)』認証制度」もあります。
2018年から実施しているワークライフバランス(仕事と生活の調和)に着目した認証制度です。仕事と生活を両立させる職場環境づくりに積極的な企業や事業所を表彰しています。時間外労働の削減、育児・介護休業の取得状況など25の審査項目があり、本年度は9月末時点で9社を認証し、累計で51社となりました。
認証した企業等の取り組みや成果を広く県民や県内企業に紹介することで、本県でのワークライフバランスの推進を図ります。認証企業は企業イメージの向上や優秀な人材の確保・定着が期待でき、これまでに「自分たちの取り組みを評価してもらい、社員のモチベーションアップにつながる」「企業アピールになる」と前向きな反応が届いています。
健康長寿推進企業等知事表彰は10月末まで表彰企業を募集中です。ひなたの極も随時申請を受け付けているので挑戦してみてください。

「健康は本県発展の原動力」。健康経営の重要性について語る河野知事
―昨年度から県内企業向けに健康経営推進の啓発チラシを作成・配布されています。健康経営の普及啓発に積極的な企業を「健康経営サポート企業」として登録し、連携も行っていますね。
チラシは健康経営の意義やメリットに加え、実践方法、顕彰制度があることなどを伝え、健康経営に取り組む企業の増加を図るために作成し、県内企業や市町村に配布しました。
健康経営サポート企業との共催または後援によるセミナーは計7回開催。県内企業の健康管理者らを対象に知事表彰や認証を受けた企業の代表を講師に招き、具体的な健康経営の進め方などを伝えてもらい、横展開を図りました。
―県庁自体も健康経営に積極的です。
「隗(かい)より始めよ」の観点から2019年7月に「健康県庁宣言」を行いました。県の包括連携協定企業で、商工会議所と連携しているアクサ生命保険の「健康習慣アンケート」を活用し、全庁職員の実態を調査。すると健康意識は高いが運動習慣のない職員や、休養や睡眠が不十分と感じている職員が多くいました。

―あらためて健康経営の重要性を教えてください。
コロナ禍を経験したことで、県民があらためて健康の大切さを感じています。健康でなければ、個人としても組織としても十分な力を発揮できない。人口減少や担い手不足などの課題がある中で、従業員は大切な経営資源であり、その健康づくりは重要戦略。つまり健康は本県発展の原動力なのです。
2027年には本県で国民スポーツ大会と全国障害者スポーツ大会があります。県としては競技力の向上と合わせて広くスポーツ人口を増やし、健康づくりにつなげていきたいと考えていますし、健康経営の取り組みと結び付けていくことも非常に大切だと考えています。
ぜひ健康経営に注目していただき、従業員やその家族も含め健康長寿社会づくりを県民一丸となって推進し、「健康長寿日本一」の宮崎県を実現しましょう。