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59歳で憧れのバス運転手に 木脇さん(宮崎市)

2020年12月8日掲載

憧れだったバスの運転手として、今年から働き始めた木脇秀雄さん

 59歳の新人です-。幼い頃から大型車の運転に憧れていた木脇秀雄さん=宮崎市=は30年近く勤めた印刷会社を退職し、今年から宮崎交通の路線バス運転手として働いている。同社によると、50代後半の大型車の運転未経験者が入社するのは異例。今月、社員に昇格し、第二の人生を本格的に歩み始めた木脇さんは、幸せをかみしめながらハンドルを握っている。

 えびの市出身で、幼少時から車や耕運機など乗り物に興味があった。昨春までに3人の子どもが自立。妻の後押しもあり、好きなことに時間を使おうと考え始めた頃、新聞に掲載されていた、同社のバス乗務体験会の告知に心が動いた。

 未経験者も運転手になれると知り、一念発起。入社後に免許を取れる同社制度の対象ではなかったが、自費で大型免許を取得して6月に入社。1カ月の研修後、運転手としてデビューした。

 覚えることが多く、体力的にもハードだが「楽しくて疲れを感じない」と木脇さん。買い物袋を抱えて乗車する高齢者を見ると「生活の足として役に立てている」と実感するという。

 休日もバス停を巡り、間違えやすそうな場所や走行ルートを確認。勤務先の宮崎南営業所の山内雅美所長は「仕事に向き合う姿勢からも、努力を重ねていることが伝わる」と話す。

 60歳の定年後も契約社員として働き続ける道もあり、木脇さんは「家族の応援に感謝している。運転技術を磨き、体が動く限りこの仕事を続けたい」と意気込む。