競馬学校騎手課程に合格し、乗馬の練習に励む山下さん=宮崎市・JRA宮崎育成牧場
日本中央競馬会(JRA)の競馬学校騎手課程38期生に、宮崎市・宮崎西中3年の山下浩平さん(15)が合格した。4月から千葉県白井市の同校で学び、騎手を目指す。全国で合格者9人の難関を突破した山下さんは「一日中、馬と触れ合える生活が楽しみ。騎手になる夢をかなえたい」と期待に胸を膨らませている。
JRA職員だった祖父の影響で、幼い頃から馬が大好きだったという山下さん。「姿勢を保ちながら馬を操り、レースを勝ちにいく姿がかっこいい」と騎手を志した。
小学5年でJRA宮崎育成牧場(宮崎市)のスポーツ少年団に入団。同校受験の条件である44キロ以下に体重を制限しながら、放課後や休日の乗馬練習、体幹を鍛えるためのトレーニングなどに励んできた。
38期生の入学試験は110人が受験。学科や運動機能検査などの1次試験、騎乗適性検査や面接などの2次試験があり、山下さんを含む9人(男子8人、女子1人)が合格した。
課程は3年間で全寮制。馬に関する知識や調教方法、実践的な騎乗技術などを学び、騎手免許試験に合格すればデビューとなる。在籍中は年齢ごとに体重の上限があり、卒業時に47・5キロ以下を維持することも求められる。
同牧場業務課普及係の河原田享さん(44)は「練習に真面目に取り組んでいる。成長期に食事制限や体重管理を行う厳しい生活になるので、気持ちの面を鍛えて乗り越え、卒業を目指してほしい」とエールを送る。
馬の魅力を「走っている時のかっこよさと、普段のかわいい表情とのギャップ」と語る山下さん。「合格が分かった時は、うれしくて涙が出た。プロになるぞという気持ちが強くなった」と目を輝かせる。「体重をキープするために、食べても走って落とす形を作ってきた。親や仲間など支えてくれる人がたくさんいるので頑張れる」と決意をにじませた。