ツアー2年ぶりの優勝を飾り、古閑美保さん(右)に祝福される大山志保選手=3日午後、新潟県・ヨネックスカントリークラブ
「復活優勝おめでとう」。国内女子ゴルフのヨネックス・レディース(新潟)で宮崎市出身の大山志保選手(41)が3日、2年ぶりにツアー制覇し、県内から祝福の声が上がった。故障を抱えながら地道にトレーニングを重ねてきた姿を知る周囲やファンは「すごいとしか言いようがない」とたたえ、さらに活躍を求める声も聞かれた。
2位に4打差をつけた最終18番グリーン。観客から大きな拍手で迎えられると、大山選手は感極まって涙を浮かべた。パーパットを沈めて優勝を決め、おなじみの派手なガッツポーズ。両手を天に突き上げ、喜びを爆発させた。
テレビで応援した後援会長の田爪靖史さん(80)=宮崎市=は「久々に志保ちゃんの素晴らしい笑顔を見ることができた。一年のうちトレーニングをしない日は正月ぐらいの頑張り屋さん。無理をせずできる範囲で出場し、20勝してほしい」と声を弾ませた。
2006年賞金女王、16年リオデジャネイロ五輪出場と国内の第一線で活躍してきたが、首の痛みなどで17年9月から国内ツアーを欠場。素振りもできない状況だったが、ランニングや筋力トレーニングに取り組み、今季復帰4戦目で栄冠を手にした。家族や親戚計15人で自宅観戦した父・晃さん(78)=同=は「満足いく練習ができず、もどかしかったと思う。けがに負けず復活優勝したことを褒めてやりたい」とたたえる。
ベテランの優勝は本県出身の若手にも刺激を与えた。4月にツアー初優勝し、今大会27位だった宮崎市高岡町出身の永峰咲希選手(23)は「万全でない中、4打差の優勝は『すごい』としかいいようがない。気持ちの強さを見習いたい」とその背を見詰めた。
大山選手は宮崎市で年1回、女性向けにレッスン会を開いてきた。昨年12月に参加した日之影町七折、公務員押方小織(さおり)さん(45)は「宮崎市内の練習場で地道に努力する姿を見たこともあり、ぜひ優勝してほしいと思っていた。あまり無理せずにこれからも頑張って」とエール。
優勝で永峰選手とともに今年11月のリコーカップ出場権を獲得し、地元に雄姿を見せられそうだ。レッスンで人柄に触れファンになったという木城町椎木、自営業佐伯勝江さん(62)は「夫と応援しており、2年後の東京五輪を目指してほしい。リコーカップもぜひ頑張って」と話していた。