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イチローさん、宮崎牛を力に おいしさに感激

2019年6月12日掲載

宮崎牛「3連覇」を祝福し、イチローさんがサインを書き込んだ宮崎牛のポスター=宮崎市佐土原町・ミヤチク宮崎流通加工センター

 米大リーグで活躍し、3月にマリナーズで現役引退したイチローさん(45)=本名鈴木一朗=は、本県を代表するブランドである宮崎牛を定期的に米国の自宅に取り寄せている。十数年前にミヤチク(都城市高崎町)から届いた肉を食べ、おいしさに感激したのがきっかけ。それ以来、同社が1、2カ月に1回、10~20キロを空輸しているという。同社関係者は「世界の第一線で活躍したイチローさんに選ばれ続けていることは、生産者の誇りと励みになる」と喜んでいる。

 同社によると、ヤンキース移籍前のマリナーズ時代の十数年前、イチローさんから「和牛を取り寄せたい」と相談を受けた地元愛知県の運送会社の社員が、付き合いのあったミヤチクに打診。同社から送られた宮崎牛を口にしたイチローさんは、「こんなにおいしい肉は食べたことがない」と感動し、注文するようになった。

 同社はイチローさんの要望に応え、主にシーズン中に運送会社経由でロースやヒレ、バラのブロック肉を空輸。ヤンキースやマーリンズなど所属先が変わっても、注文は途切れなかった。当時の大リーグの日本人選手を招いて振る舞うほど宮崎牛にほれ込み、注文量は年間で計200キロに達したこともあった。

 2009年、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補の宮崎市での合宿に参加した際は、青木宣親外野手(ヤクルト)=日向市出身=やダルビッシュ有投手(カブス)らを連れて同市の宮崎観光ホテル内の「大淀河畔みやちく」に来店。その翌年から数年間は、正月になると同店を訪れ、特に好物というハラミを中心に焼き肉を堪能した。

 宮崎牛への思い入れも強い。口蹄疫からの復興が試された17年の全国和牛能力共進会で、宮崎牛が3大会連続で「日本一」に輝くと、イチローさんは宮崎牛のポスターにサインを入れて同社に贈り祝福した。

 引退を表明する直前の今年3月にも、普段と同じように10キロ分を取り寄せた。同社は、イチローさんの意向でこれまで注文していることを公表していなかったが、今月に了承を得たという。ミヤチク販売企画課の宮元峰夫技術顧問は「これからも変わらずに、宮崎牛を愛してもらえればうれしい」と話している。