「宮崎観光ホテル時代の積み重ねがあって今がある」と語る向高小由紀さん=東京都千代田区・帝国ホテル東京
国内屈指の名門ホテルの一つとして知られる帝国ホテル東京(東京都千代田区)のフランス料理店「ラ ブラスリー」で、日南市出身の向高小由紀(むこたか・こゆき)さんがサービススタッフとして活躍している。宮崎観光ホテル(宮崎市)でサービスの基礎を学び、より高いレベルを求めて今年1月に帝国ホテル東京に移ってからも、サービス部門の全国大会で優勝し、成長を続ける向高さん。同ホテルからは「若手のホープ」と期待を寄せられている。
向高さんは日南学園高を卒業後、2011年に宮崎観光ホテルに就職。1年目からレストランのサービススタッフとして働き始め、15年には23歳以下の技能者が出場する「技能五輪全国大会」(千葉市など)のレストランサービス部門で最高賞を獲得。今年に入り帝国ホテル(東京)に入社し、フランスレストラン文化振興協会などが10月に東京で開いた、29歳以下対象の「“アンダー29”サービスコンクール」でも頂点に立った。
サービススタッフの仕事はテーブルセッティングからカクテル作り、果物のカットなど多岐にわたる。さらに、帝国ホテル東京となれば来客数は格段に多く、「求められるサービスはお客さま一人一人異なるので、対応が大変」と向高さん。それでも必死に仕事に励み、「視野が広くなった」と研さんを続けている。
同店の野尻誠支配人からも「貴重な戦力」と信頼される向高さん。「宮崎観光ホテル時代、上司に『丁寧に仕事をしなさい』と言われてきたが、その積み重ねがあって今がある。この仕事は、大好きな料理を通じてお客さまと会話ができることが喜び。これからも存分に携わっていきたい」と目を輝かせている。