スタッフや来園者が見守る中、トラックに乗り込むアジアゾウの「みどり」=10日午後、宮崎市フェニックス自然動物園
宮崎市フェニックス自然動物園(出口智久(としひさ)園長)の雌のアジアゾウ「みどり」(17歳)が10日、“妊活”のため、フェリーで神戸市へ向け出発した。11日朝に神戸港に到着後、新しいパートナー「マック」(26歳)の待つ神戸市立王子動物園へ向かう。
みどりは日中、いつも通り同自然動物園のイベントに参加。夕方、来園者やスタッフに見守られながらトラックの荷台に載せた移動用のおりへ。緊張した様子でなかなか乗り込まないみどりに、来園者が「頑張って」と声を掛ける場面もあった。
長男浩翔(ひろと)君(5)、長女美月(みづき)ちゃん(3)と訪れた宮崎市の主婦今津明日美さん(35)は「母親になったみどりの姿を見られる日を楽しみにしたい」と話していた。
宮崎港のフェリー乗り場では出発式も開かれ、約150人が参加。しばしの別れに涙を流したり、出航直前まで旗を振り声援を送ったりする姿が見られた。
獣医師の竹田正人副園長は「ゾウの繁殖は難しいが、赤ちゃんを授かって帰ってきてほしい」と話していた。
同園によると、“妊活”は、最長で来年6月下旬まで。赤ちゃんを授かれば宮崎市に戻り出産する。