ゴールデンウィーク中も多くの県外客でにぎわった西郷隆盛宿陣跡資料館
延岡市北川町にある西郷隆盛宿陣跡資料館の昨年度の来館者が、過去最高の1万4001人を記録した。2016年度の来館者は3316人で、今年1月から始まったNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の効果が大幅増につながったとみられる。4月の来館者数はすでに2725人に上り、同館を管理する市教委北川分室は「本年度はさらに多くの来館者を期待したい」と話している。
1992年度に開館した同館は、西南戦争で薩軍が「和田越の戦い」で、官軍に押されて本陣を張った旧児玉熊四郎邸。西郷はこの地で薩軍を解散したとされる。館内には西郷の愛用品や関連資料などを展示。来館者数は近年、千~3千人程度で推移していた。
「西郷どん」の放送が決定すると、同市は昨年4月に同館の展示内容を整理し、説明看板や音声ガイドを更新。さらに入場を無料とした。今年1月には、同館のほかニニギノミコト陵墓参考地などがある俵野地区一帯を「西郷隆盛青空テーマ館」として再整備した。
来館者急増を受けて今年のゴールデンウイークは、地域住民がボランティアとして、施設案内や清掃を行う同館管理人の児玉剛誠さん(75)をサポートしている。同分室は「来場者アンケートで意見を集めたり、企画展や新たな展示物を掘り起こしたりして、魅力を高めていきたい」と話している。