開通記念イベントで風船を一斉に飛ばし祝う参加者ら=21日午後、宮崎市山崎町のシーガイア旧オーシャンドーム前駐車場
「宮崎、大分両県の共栄へ大きな一歩」-。東九州自動車道大分-宮崎が全線開通した21日、両県ではさまざまな祝賀イベントが開催され、地域挙げて高速道時代のさらなる進歩を祝った。各イベントでは、それぞれ地元の魅力を相手の県にアピール。関係者や来場者からは両県連携がもたらす可能性への期待と、東九州圏域を超えた人的交流の活性化など、今後の夢が語られた。
延岡市の須美江家族旅行村では、東九州道沿線のご当地グルメを一堂に集めた「東九州風土フードフェスタinひむか遊パークうみウララ」(同市主催)を開催。チキン南蛮などに加え、大分県宇佐市のからあげ、北九州市の小倉焼きうどんなど21店が並んだ。延岡市大貫町の甲斐良子さん(54)は「普段目にしない料理が味わえ満足。大分へのアクセスが良くなったので、次の連休は別府方面に足を延ばしたい」と笑顔で話した。
宮崎市の旧オーシャンドーム前駐車場。県など主催の祝賀イベントと「食と農の祭典」(JA宮崎経済連主催、宮崎日日新聞社など後援)があり、約1万1千人が来場。行政、経済関係者によるくす玉割りや、一般市民が風船を飛ばすなどして開通を祝った。
川南町の川南パーキングエリア(PA)では同町地場産業振興会が祝福ムードを盛り上げようと、ひょっとこ踊りを披露。三浦活也会長は「大分-宮崎の高速道休憩施設はほかにもあるが、川南PAにこれまでの倍近い利用者が来ると思う。児湯、西都地域全体で盛り上げたい」と意気込んでいた。
一方、大分県の各地でも本県関係者がPR活動を行った。佐伯市役所前には県やみやざき観光コンベンション協会職員が、本県の観光地などを宣伝。同協会の永友倫彦誘致課長は「ようやくこの日が来た。大分だけでなく(佐伯市や臼杵市とフェリーで結ばれている)四国の人にも宮崎は近いとPRしたい」。さいとこゆ観光ネットワークのパンフレットを配布した高鍋町産業振興課の吉田竜人主事は「大分県でのイベントに積極的に顔を出し、西都・児湯の魅力を知ってもらいたい。通過地点とならないよう営業活動を続ける」とそれぞれ語った。
県内3市2町でつくる県央地域観光リゾート推進会議と三股町は複合商業施設「パークプレイス大分」(大分市)で、観光と物産のPRイベントを展開。日南市商工観光課の谷口誠一郎主査は「県南の豊富な観光資源は大分県に知られておらず、観光誘客の伸びしろはある」と話していた。