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ニシタチ古き良き楽園 玉袋筋太郎さんに聞く

2017年12月18日掲載

スナックを巡るため、ニシタチを歩く玉袋さん

 宮崎市の歓楽街・ニシタチに先月下旬、全日本スナック連盟会長のタレント玉袋筋太郎さん(50)が初めて足を踏み入れた。近年は観光資源として見直す動きもある中、全国津々浦々の歓楽街を訪ね歩く「夜の街の専門家」には、どう映ったのか聞いた。

 -ニシタチの印象は。

 「昔ながらの雑居ビルが並び、新旧の店がひしめいている。大都市では見られなくなった情景で、まさに楽園。全国的に大手飲食チェーン店が立ち並ぶ歓楽街も増える中、地元の飲食店や小さなスナックが堂々と頑張っている。ただ古いのではなく、独自の進化で魅力的な雰囲気を醸した『夜のガラパゴス』だ」

 -今回はテレビ番組(宮崎放送で1月放送予定)の撮影で、4店をはしごした。

 「宮崎人の人柄もあるのか、店と客、客と客、店と店のつながりが強い印象を受けた。例えば、老舗スナックの若い2代目ママを、先代からの常連が見守り支える。強い絆が県外大手の進出を防ぎ、結果的に独自性を守っているのかもしれない」

 -年間150店以上のスナックを訪ねる。魅力は何か。

 「SNS(会員制交流サイト)や口コミサイトには飲食店の情報があふれるのに、スナックは扉を開けるまで分からない。情報発信の弱さは業界の課題でもあるが、だからこそのわくわく感が魅力。特に旅先では、地元の方との飾らない交流が楽しい。ネットでは絶対分からないグルメ情報を教わることも多い。スナックこそ旅の醍醐味(だいごみ)だ」

 -飲食店が協力して試し飲みチケットを販売したり、行政がPR動画を作ったり、最近はニシタチを観光資源として見直す動きがある。

 「古き良き歓楽街の雰囲気を、これだけ色濃く残した街は少ない。海外にも売り込める観光資源だ。宮崎の人には当たり前かもしれないが、どこか懐かしい街並みに、スナックを楽しむ文化が残るのは誇るべきこと。今までニシタチを知らずにスナックを語っていたことが恥ずかしい」

 -スナック経営者や常連の高齢化で、最近は閉店する店も少なくない。

 「ゆるキャラブームが続くが、スナックこそゆるキャラの宝庫。名物ママやマスターの名言録を兼ねた日めくりPRカレンダーを作ったり、スナック対抗歌合戦を街中で開いたり、各店の魅力を面白く発信しては。宮崎の人はこれからも、この街を愛し、通い続けてほしい」