雲間から姿を見せた赤銅色の月=4日午後9時10分、宮崎市の大淀川河畔(夜桜と月はカメラ内の合成機能を使い同じ場所で撮影)
満月が地球の影にすっぽりと入り、赤黒く見える皆既月食が4日夜、本県の一部や北海道、東北などで約半年ぶりに観測された。次に日本で見られるのは約3年後の2018年1月31日。
月食があったのは午後7時15分ごろから同10時45分ごろまでの間。本県は前線の影響を受け県内全域が雲に覆われていたが、宮崎市大橋3丁目の大淀川河畔では、桜の花と月食が同時に楽しめた。
都城市高崎町大牟田のたちばな天文台では観測会。県内外から集まった天体ファン20人の祈りが通じたのか雲が晴れ、午後8時54分ごろ、皆既食を確認。幻想的な天体ショーを約12分間楽しんだ。蓑部樹生台長は「星空に浮かぶ赤い月をはっきりと見ることができて感動した」と話していた。
皆既月食は太陽と地球、月が一直線に並び、月が全て地球の影に入って起きる。太陽光が地球の大気で散乱したり屈折したりして、かすかな赤い光が月に当たるため、月は赤銅色と呼ばれる独特の色に見える。