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宮崎キャンプNews2020

池田親興コラム

 いけだ・ちかふさ 宮崎市出身。投手として高鍋高から法大、日産自動車でプレー。1983(昭和58)年にドラフト2位で阪神に入団。1年目に9勝を挙げた。ダイエーを経て、95年にヤクルトで現役引退。プロ12年間で277試合に登板し53勝69敗、30セーブ。現在はテレビ西日本の解説者。プロ野球県人会代表。60歳。

先発ローテ確立が鍵【巨人分析】

2020-2-6

 原辰徳監督が復帰し、5年ぶりにリーグ優勝を果たした。チームとして特別抜きんでた印象はなかったが、ここぞという場面で打ち勝った。原監督の手腕も光り、混沌(こんとん)とした争いを勝ち抜いた。

 今季の最重要課題は、先発ローテーションの確立だろう。昨季の防御率はリーグ4位。2017、18年沢村賞の菅野智之は11勝6敗、防御率3・89と、長年の疲労や腰の故障の影響もあったとは思うが、本来の力を出し切れなかった。投手部門3冠の山口俊が穴を埋めたが、今季から米移籍。絶対的エースの菅野が1年を通じていい状態で投げられるかが、チームの浮沈を握る。

 問題は菅野以外の先発陣。ある程度めどが立っているのはメルセデスと、新外国人サンチェスだけでは。昨季8勝の桜井俊貴やルーキーの高橋優貴のほか、田口麗斗、宮國椋丞、高木京介がどれだけ頑張れるか。ドラフト2位の太田龍(JR東日本)は即戦力と期待されるが、ベテラン岩隈久志、新外国人ビエイラとともに未知数。先発陣の出来栄えによっては、早いイニングからの継投で乗り切る「オープナー」もあるかもしれない。そうなると昨季中継ぎで活躍した中川皓太が鍵を握る。

 本県出身選手にはチャンス。ルーキーだった戸郷翔征(聖心ウルスラ高出)は昨季、リーグ戦終盤に重要な局面を任された。直球、変化球ともに力があり、打者に向かっていく姿勢もあった。変則的な投げ方で貴重な戦力だ。田原誠次(同)はまだ力を発揮しきれていない。後輩の活躍をばねにしてほしい。

 打線は打率こそ中日に次ぐ2位だったが、本塁打数と得点は1位。盗塁も2位と、走ってつながった。リーグ最優秀選手の坂本勇人が成長し、FAで広島から加入した丸佳浩も勝負強かった。岡本和真は一本立ちし、ベテランの亀井善行も復活。吉川尚輝、重信慎之介ら若手も育った。新外国人パーラが機能すれば、さらに伸びるだろう。

 今季は日本シリーズ4連敗の悔しさから始まる。チームの柱の阿部慎之助がいなくなり、坂本、丸、菅野らがどう引っ張るか。リーグ連覇だけでなく、日本シリーズで勝つため、一丸で臨んでほしい。

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