池田親興コラム

投手陣立て直し急務【広島分析】

2020-2-6

　プロ野球５球団の１軍が県内で春季キャンプを行っている。阪神などで投手として活躍した宮崎市出身の池田親興さんに、今季の戦力や見どころを解説してもらった。

　打率はリーグ３位で、防御率も２位。しかしチームのバランスが狂い、悔しいＢクラスに終わった。

　逆転負けが３４試合と多く、中継ぎや抑え投手の立て直しが急務だ。３年連続胴上げ投手だった中崎翔太（日南学園高出）や、２０１８年シーズンに中継ぎで活躍したフランスアが、守護神として力を発揮できなかった。中継ぎの一岡竜司、今村猛も含め、球団史上初の３連覇に貢献したメンバーが、本来の実力を出せなかった。今季、勝ちパターンをどのようにつくるか、投手出身の佐々岡真司新監督の采配に期待したい。

　先発陣もやや安定感に欠き、結果として中継ぎの負担も大きくなった。大瀬良大地とジョンソンは共に１１勝を挙げながら、負けも多くなかなか貯金をつくれなかった。野村祐輔も（６勝５敗で）本調子まで戻っていない。九里亜蓮、岡田明丈、薮田和樹らに殻を破ってほしいところだ。

　ドラフト１位の明大・森下暢仁は、直球、変化球とも素晴らしいしマウンド度胸もある。首脳陣もローテーション入りを期待しているだろう。昨季活躍した床田寛樹や、中村恭平の両左腕も面白い。ケムナ誠（日南高出）は体も大きいし、球に力もある。後は試合で出せるかどうかだ。国際大会「プレミア１２」で活躍した捕手の会沢翼には、投手陣を引っ張ってもらいたい。

　丸佳浩が巨人に移籍したのは痛かったが、打線は大きな穴を感じさせなかった。４番の鈴木誠也は首位打者を獲得し「プレミア１２」でも活躍。センターには西川龍馬が定着した。野手陣では菊池涼介の残留も大きい。遊撃の田中広輔は打率１割台と低迷したものの、ルーキーの小園海斗が台頭。２年目の羽月隆太郎（宮崎市出身）も、粘り強くチャンスをつかんでほしい。

　チームにはリーグ３連覇を経験し、勝ち方を知っている選手も多い。昨季の悔しい経験も力に変えることができれば、王座奪還は十分に果たせるだろう。

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