知事選告示
2022年12月9日
◆地域の将来吟味する機会に◆
任期満了に伴う知事選が告示された。元職の東国原英夫氏(65)、4期目を目指す現職の河野俊嗣氏(58)、政治団体代表のスーパークレイジー君(36)=本名・西本誠氏=の3人が無所属で立候補した。
前回知事選と決定的に異なるのは、新型コロナウイルスの感染拡大を経験したことだ。コロナ禍で一層鮮明になった本県の課題にどう向き合うのか、候補者の姿勢や考えを見極める絶好の機会だ。
まず、コロナ禍で疲弊した本県経済の再生策が挙げられる。本県の基幹産業である観光業や関連業界は大きな打撃を被った。しかし時を経て「ウィズコロナ」が浸透し人流も活発化。11月には本県発着の国際チャーター便が再開=写真=するなど訪日客も回復の兆しにある。新首長が率いる今後4年間、本県の魅力を強力に打ち出す戦略と発信力が必要になるだろう。
本県に人を呼び込む効果は観光客誘致だけにとどまらない。交流人口や移住者が増加すれば、人口減少が進む地域の活性化、新規産業と雇用創出につながる可能性は大きい。少子化に一定の歯止めがかかる期待も膨らむ。経済活動や地域再生の基軸に人的交流があるからだ。
県民生活はコロナの感染拡大によってさまざまな痛手を受けた。物価高ラッシュでゆとりを持てない人も少なくない。宮崎日日新聞社が告示前に行った県民意識アンケートで課題として最多だった「県民所得の低さ」の是正も看過できない。地域の活況感が底上げされる好循環への突破口にしたい。
県土の9割弱を占める中山間地域では近年、防災対策と被災後の復旧対策の重要性も浮上している。台風や大雨などの被害が激甚化し、9月の台風14号は山間部を中心に牙をむいた。人口減少で復旧作業は困難を極め、コロナ禍でボランティアの受け入れも制限された。こうした時代変化を受けて、中山間地域をどう守るかも焦点になる。
地球環境、人口動態や産業構造が激変する中で、変化に対応して地域の将来像を描く必要がある。県民の安全・安心な生活を築く努力が前提だ。もちろん河野氏による3期12年の現県政の評価も重要な争点になる。
任期満了に伴う知事選が告示された。元職の東国原英夫氏(65)、4期目を目指す現職の河野俊嗣氏(58)、政治団体代表のスーパークレイジー君(36)=本名・西本誠氏=の3人が無所属で立候補した。
前回知事選と決定的に異なるのは、新型コロナウイルスの感染拡大を経験したことだ。コロナ禍で一層鮮明になった本県の課題にどう向き合うのか、候補者の姿勢や考えを見極める絶好の機会だ。
まず、コロナ禍で疲弊した本県経済の再生策が挙げられる。本県の基幹産業である観光業や関連業界は大きな打撃を被った。しかし時を経て「ウィズコロナ」が浸透し人流も活発化。11月には本県発着の国際チャーター便が再開=写真=するなど訪日客も回復の兆しにある。新首長が率いる今後4年間、本県の魅力を強力に打ち出す戦略と発信力が必要になるだろう。
本県に人を呼び込む効果は観光客誘致だけにとどまらない。交流人口や移住者が増加すれば、人口減少が進む地域の活性化、新規産業と雇用創出につながる可能性は大きい。少子化に一定の歯止めがかかる期待も膨らむ。経済活動や地域再生の基軸に人的交流があるからだ。
県民生活はコロナの感染拡大によってさまざまな痛手を受けた。物価高ラッシュでゆとりを持てない人も少なくない。宮崎日日新聞社が告示前に行った県民意識アンケートで課題として最多だった「県民所得の低さ」の是正も看過できない。地域の活況感が底上げされる好循環への突破口にしたい。
県土の9割弱を占める中山間地域では近年、防災対策と被災後の復旧対策の重要性も浮上している。台風や大雨などの被害が激甚化し、9月の台風14号は山間部を中心に牙をむいた。人口減少で復旧作業は困難を極め、コロナ禍でボランティアの受け入れも制限された。こうした時代変化を受けて、中山間地域をどう守るかも焦点になる。
地球環境、人口動態や産業構造が激変する中で、変化に対応して地域の将来像を描く必要がある。県民の安全・安心な生活を築く努力が前提だ。もちろん河野氏による3期12年の現県政の評価も重要な争点になる。