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桜見る会の酒類提供

2022年6月17日
◆安倍氏本人が説明し決着を◆

 疑惑が表面化してから2年半以上もたつのに、いまだにくすぶり続ける異常事態である。安倍晋三元首相の後援会が、「桜を見る会」前夜に主催した地元支援者らの夕食会費用を穴埋めしていた問題のことだ。今ごろ、サントリーホールディングスから酒類の無償提供を受けていたことも明るみに出た。

 これは、穴埋めを政治資金収支報告書に記載しなかった罪で罰金100万円の刑を受けた元公設第1秘書の刑事確定記録を共同通信などのメディアが閲覧して判明した。安倍氏側はずっと口をつぐんできたわけだ。

 安倍氏は国会での追及に118回も事実と異なる答弁をし、真相をごまかし続けてきた。異常事態を招いた全責任は安倍氏にある。本人がすべてを説明し、この問題に決着をつけるべきだ。

 「桜を見る会」は歴代首相が各界の功労者らを招いて開催してきた公的行事だ。地元支援者らを多数招いただけでも、公私混同のそしりは免れないが、前夜には後援会が都内の高級ホテルで夕食会を開催していた。

 徴収した会費は1人5千円。足りるはずがなく、不足分は後援会が穴埋めしていたが、安倍氏は国会で「支払いは会費で完結」などと事実に反する説明を繰り返した。

 元公設第1秘書が、公訴時効が成立していない直近4年分の報告書に夕食会の収支計約3千万円分を記載しなかったとして、略式起訴されると一転して「事実に反した」と答弁を訂正したが、いまもって誠実な説明はない。

 そんな中、発覚したサントリーの夕食会への酒類提供は、3年間でビール、ウイスキーなど計約45万円相当。後援会への寄付に当たる可能性があるが、政治資金規正法は「その他の政治団体」である後援会への企業の寄付を認めていない。後援会の収支報告書にも寄付の記載はなかった。

 複数の市民団体などは既に、安倍氏やサントリー担当者らに対する規正法違反容疑の告発状を東京地検に提出した。疑惑はまだまだ終わらない。

 サントリーは「自社製品を知ってもらう機会と考えた」と説明をし、安倍氏側は基本的に口をつぐんでいる。酒類提供に至るやりとり、サントリー社内の意思決定の経緯など、双方に詳細な説明をする義務がある。

 セクハラ疑惑や一連の言動への批判などに、真剣に答えようとしない細田博之衆院議長、18歳の女子学生に飲酒させたなどと報じられ、自民党を離党しながら説明しない吉川赳衆院議員。信じられない現状は、安倍氏の姿勢に端を発しているのではないか。

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