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県北展望

2022年1月13日
◆変化の年 問われる市長手腕◆

 延岡市にとって大きな節目の年となる2022年がスタートした。市内各地で市民活動の拠点となる大型公共施設の新設、立て替え工事が次々と完了し、経済、文化、暮らしに新たな流れが生まれる。また、市政の分野では今後4年間のリーダーを決める市長選が行われる。地域社会はこれらの動きをエネルギーとして、なお続く新型コロナウイルスとの闘いの中でも一歩ずつ前進したい。

 大型施設では、JR延岡駅西口に2020年秋から建設を進めていた複合ビルが、3月をめどに全面開館する。5階建てで延べ床面積約5800平方メートル。旭化成の一部部署をはじめ民間企業や延岡商工会議所など13社・団体が入居し、平日には約200人の職場となる見込み。周辺での飲食や買い物など経済効果も期待される。

 秋には、延岡城西の丸跡で本館建て替え工事をすでに終えている「延岡城・内藤記念博物館」が開館する。最新の設備で市の文化財を次代へと引き継ぐ役目に加えて、国宝や重要文化財の定期的な展示会が開きやすくなる公開承認施設の認定を受けることを目指す。

 また、市役所の目の前では現在「野口遵記念館」の建て替え工事が急ピッチで進む。約700席の多目的ホールをはじめ楽屋兼練習室、各種教育にも活用できるフリースペースなどを備えた県北の芸術文化の中心施設として、年内の完成を見込む。

 さらに、親子の遊び場や子育ての相談、病後児保育など多機能を備えた総合支援施設「えんキッズ」は8日にオープン式典を行った。今後4年間も宮崎市から移転新築される県体育館、災害時の後方支援拠点とスポーツ練習場の機能を併せ持つ多目的屋内施設、運動公園野球場建て替えと大型事業が続く。各施設とも収容人数が多く、公演、大会、研修など交流イベント開催による市外、県外からの誘客力が高い。観光や移住・定住などの波及効果も期待できる。

 一方で、ここに挙げた7施設の事業費を国、県の負担分込みで合算すると、見込み額を含め現在明らかになっている総額は約250億円。今後の維持管理費も含めて市民、県民が担う財政負担は軽くはない。

 巨額の支出を伴う事業を延岡市の活性化へと着実に結び付けるため、問われるのは行政トップの手腕だ。この重要なタイミングで延岡市長選が16日告示、23日投開票の日程で行われる。コロナ禍という未曽有の緊急事態に加えて、人口減少や激甚化する災害などの重い課題と向き合いながらも、未来に希望を持てるまちづくりを実現できるリーダーは誰か。候補者は選択肢をしっかり示してほしい。

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