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経済展望

2022年1月12日
◆新常態への対応力磨きたい◆

 パンデミック(世界的大流行)という言葉が消えないままに迎えた2022年。新しかったはずの生活様式はすっかり常態化した。

 消費の形が変われば経済の形も変わる。県内では昨年、家具やバイク、輸入車、キャンピングカーなど高額商品が軒並み売り上げを伸ばした。

 マンションの建設ラッシュも続く。宮崎市を中心に大手業者が次々と参入。市街地でマイホームを探す県民の選択肢は一気に広がった。

 気になるのは価格の高騰だ。2010年に2200万円台だった平均価格は3200万円台に上昇(住宅流通新報社調べ)。建築資材や人件費の上昇が背景にあるとはいえ、県民所得と乖離(かいり)した価格設定には不安を覚える。一般消費者の手の届く価格帯への適正化を望みたい。

 グローバル化の影響はコロナ禍でますます大きくなっている。アジアでのロックダウン(都市封鎖)による部品調達の遅れや資材高騰は県内企業にも打撃を与えた。

 ウッドショックに見舞われた建設会社の社長は、輸入材頼みだった業界の体質に警鐘を鳴らし、製造業に携わる経営者は「在庫を持たない」生産体制のリスクを指摘。コロナがもたらした気づきが足元を見つめ直す好機となっている。

 一方でコロナ関連の倒産は昨年も7件にとどまり依然低水準で推移する。国の資金繰り支援が奏功しているためだが、倒産が増えるのはむしろ景気が上向きへ転換する潮目のとき。新常態に合わせた変革は待ったなしだ。

 そんな中、「九州・沖縄の翼」ソラシドエア(宮崎市)がAIRDO(エア・ドゥ、札幌市)との経営統合を発表した。ウイズコロナでの生き残りを懸けた航空再編第1号。今後の道筋が他業界へのヒントになることは間違いない。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の勢いも増している。県内企業50社アンケートでは大半が何らかの取り組みを実施。政府の事業再構築補助金でビジネスモデルの刷新に注力する企業も多い。オミクロン株の拡大で視界不良が続く中、スピード感を増す変化への対応力にさらに磨きをかけ、前へ進みたい。

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