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コロナとスポラン

2021年4月2日
安堵せず感染症対策徹底を

 2月のプロ野球とサッカーJリーグのキャンプインから始まり、3月の大型スポーツイベントまで、「スポーツランドみやざき」(スポラン)がピーク期を越えた。新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した昨年3月以降、大会中止・延期や無観客試合が迫られた1年だったが、今年3月下旬には有観客でのイベントが復活。開催中は県内のコロナ新規感染者が確認されず、無事一区切りがついた。関係機関の連携で感染予防体制を構築した成果とみていい。

 本県の2~3月は温暖な気候で例年、プロ選手、学生や社会人などアマチュアスポーツ合宿が集中する時期。しかし、今春のプロ野球7球団、Jリーグ17チームのキャンプは無観客で実施し、アマチュア合宿も昨春に続き、激減した。

 ようやく3月、観客を迎え入れての大会実施へ。Jリーグ3部に初参戦したテゲバジャーロ宮崎の開幕戦(14日)は約1800人、国内女子プロゴルフツアー「アクサ・レディーストーナメントin宮崎」(26~28日)は千人限定、陸上の「シレジア2021世界リレー選手権日本代表選考トライアル」(28日)は約2千人が入場した。

 大型イベントでクラスター(感染者集団)発生や感染拡大がなく完走できた経験は財産であり、今後のスポラン振興の上でも自信と弾みになるだろう。安全安心のスポーツ環境のためには感染症対策が基盤になる。安堵(あんど)せず、さらに感染症対策を徹底したい。

 県観光推進課スポ―ツランド推進室によると、昨秋のプロ野球フェニックスリーグを機に”宮崎方式”ともいえる体制をいち早く構築、奏功したという。具体的には、チーム内に体調不良者が出た場合、迅速な受診やPCR検査につなげるよう市町のスポラン担当者が調整役として動く。同リーグ以後、キャンプを受け入れる6市1町にも周知しこの体制が整った。

 観光サイドからすれば「踏めるアクセルは踏みたい」、そのためには万全の感染症対策が不可欠との思いがあった。宿泊業とその取引業者が疲弊していくさまが眼前にあったからだ。

 県ホテル旅館生活衛生同業組合(約190社)の田爪広志事務局長は「スポランは一般の観光と異なり県内隅々まで波及効果がある。アマチュア団体は50室以下の中小宿泊施設を利用することがほとんどで、スポランのおかげで各市町村の中小施設が潤ってきた」と話す。

 県内全域の地域経済を下支えするためには今後もスポランが有力な一手であることは間違いない。感染症対策と受け入れ体制をさらに高度化し、ブランド力向上と発信につなげたい。

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